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現地行政相談委員は、「特別合同相談所」開設体験を次のように述べている。

 

北海道南西沖地震に伴う「特別合同行政相談所」開設体験
行政相談委員 牧田力(奥尻町)
相談所開設の是非と日程
島始まって以来の大地震発生に伴う惨状の中で、被災住民は役場や私に連日相談等を申出てきましたが、役場は被災地への対応でテンヤワンヤの状況にありました。
私も行政相談委員として何とかしなければと思いつつも、私の奥津神社の復旧等で多忙な毎日を送っていた最中の7月27日、函館行政監察分室から電話があり「管区局の指示により奥尻町に対し関係行政機関の参加による「特別合同行政相談所」の開設について連絡をしたところ、開設には同意を得たものの、役場は災害復旧業務等で超多忙なため、日程等について全く予定が立たない…… 何か良い方法はないか。」というものであった。
早速役場へ行き、助役に「函館分室から、今回の地震災害に伴う関係行政機関の参加による合同行政相談所をぜひ奥尻島で開設したいとの連絡があった。被災住民の気持ちがある程度落ち着くと思われる8月末の時期に、被災住民の国の行政機関等に対する意見・要望等を受け、島民の生活に役立せる機会をぜひ設ける必要があるので協力してほしい。」と繰り返し説得。役場では「特別合同行政相談所開設」の必要性は充分わかりました。時期も8月末が適当と思うので担当課長に積極的に協力するよう指示をする。」との回答を得、早速函館分室へこの旨連絡したところ、函館分室から管区局と協議した結果8月24日に開設することになった旨の連絡を受けた。
開設場所
開設することが決まったが、次に問題になったのは開設場所の確保でした。当時の7月末時点では、島内の公共施設は被災者の避難所や災害復旧の要員の宿泊、援助物資の保管施設等になっおり、何時、どこの施設が空くかは全く予定が立たない状況でありました。この時点でどの公共施設が8月末に空くかを検討しても結論がでないことが分かったので、私の神社に隣接し、ボランティアの宿泊施設として利用されていた町公民館を会場とし、万が一、町公民間が空かない場合は隣接する私の神社を会場とすることを函館分室へ提案した。
事前のPR
特別合同行政相談所開設が決まりましたが、住民にどうPRするかが問題でした。私も口コミで被災した方々に会うたびに、相談所の開設について伝達に務めました。また、特別合同相談所開設に先立つ8月16日に、函館分室から住民への事前PRのため奥尻に来られ、私と一緒にチラシの配布とポスターの貼付を行うたとになりました。(〜以下「省略」)
行政相談委員の活動記録「あなたの街の行政相談委員」から

 

(2)台風13号による集中豪雨(鹿児島県)に伴う行政相談活動

 

ア集中豪雨による被害の状況

 

鹿児島県は、地理的に台風の来襲を受けやすく、地質的にもシラス台地であるため、台風や大雨による災害の常襲地域で、昭和26年ルース台風による 209名の死者を出したのをはじめ、大規模な風水害が10年に3〜4回の割合で生じている。
平成5年の長雨、台風による災害は、梅雨が8月末まで明けなかったという異常気象にはじまる。6月中旬から鹿児島地方に停滞していた梅雨前線が活発化し、7月には台風5

 

 

 

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